育児を手伝っているつもりの旦那さん。実は可愛がっているだけだよね
大変なことは、全部私に丸投げ
私の体調が悪くても『明日も仕事だから』って夜泣き対応を変わってもらえない…
そんな風にストレスをかかえていませんか?
SNSでは完全ワンオペや旦那さんの育児放棄などの情報があふれています。子どもの遊び相手になってくれるだけありがたいと思わなきゃダメかな…など、自分を無理やり納得させているママも少なくないでしょう。
ひとりです /
申し遅れました。2児のママ兼女性誌ライターのふじさんです。
育児は夫婦のチームワークが大切。当たり前ですが、旦那さんは敵ではないのです。
目の前にある小さな命の責任はママひとりで背負うものではありません。夫婦で責任を分け合うことで、心身共に負担が減ることを実感しました。いろいろ試行錯誤して少しずつ状況が改善してきたので、同じような思いをしているママに私の体験をシェアしていきたいと思います。今すぐ試せる方法もあるので、ひとつでもヒントにしてもらえたらうれしいです。
「育児」と「育児ごっこ」はこんなに違う! モヤっとしがちな3つのポイント
一緒に考えてみませんか? /
育児におけるパパの主体的な関わりが、家族みんなにとって心地よい時間を作り出します。
育児においてパパが主体性を持って参加してくれると、家族の絆が深まり、育児の負担も分散されます。しかし、どうしても「育児ごっこ」のように感じてしまうのも事実です。私がよく感じたモヤっとポイントをご紹介します。
1.子どもがご機嫌な時だけ関わる
子どもが泣いた時に「ママの方がいいよね」と逃げられてしまった。aiko_mamaさん(2歳児のママ)
ご経験のある方も多いのではないでしょうか。
楽しい時も大変な時も、子どもに寄り添い続けることが大切です。子どもの機嫌がいいときだけ関わるのは、育児に真剣に向き合っているとは言えません。
私も同じようにイライラしていました。ある時、私が爆発したら旦那さんは「やり方がわからない」とこぼしたんです。ハッとしました。子育てのスタートラインは夫婦で同じはず。私も母親としては新米ですが、「やり方がわからない」なんて甘えたことは言っていられません。赤ちゃんと過ごす時間が長い分、旦那さんより親として成長しているのかも…と思ったんです。旦那さんが「可愛がるだけ」の育児になっている理由があるのかもしれませんね。一度じっくり話し合ってみるのもよいかもしれません。
2.自分のペースやタイミングを優先する
「休日は家族で過ごせる!と思ったら、自分の予定を優先されちゃうことが多くて、結局ワンオペ…」まーちゃんさん(3歳児のママ)
こちらの投稿には多くの「いいね!」が集まっています。
育児は家族全員で協力し合ってこそ成り立ちます。特に乳幼児期はママのコマ切れ睡眠が続くため、パパがお休みの日はゆったりくつろいだり、リフレッシュしたりしたいですよね。休日しかできないことがある夫の気持ちもわかるのですが、勝手に予定を決められちゃったり、子どもが遊びたがっているのにスマホをいじってばかりだとモヤッとしますね。
そこで「週末の予定は一緒に決めない?」と提案してみたんです。しばらく続けると旦那さんは「この日は予定入れて大丈夫?」と聞いてくれるようになりました。「いいよ。私もひとりで出かけていいかな?」とリフレッシュ時間を確保できるように!交換条件みたいで最初は気が引けたのですが、旦那さんはあっさりと「いいよ」と言ってくれたのです。家族の時間、お互いの時間を尊重し合うことで、協力しながら進められるようになるのが理想ですよね。
3.古い価値観を持っている
子ども「自分は父親に風呂を入れてもらった記憶はない。子どももママの方がうれしいでしょ?」と言われるたびにモヤっ。ゆみこさん(1歳児のママ)
確かに私たち親世代は、育児に積極的に参加する父親は少なかったかもしれません。
でも、いまの育児には、パパもママも同じように関わることが求められています。「パパにしかできない遊び方、叱り方」は子どもの刺激になりますし、ママの育児負担も軽減されます。
私が試してみたのは、いいイメージを伝えつつ危機感を煽る声掛けです。「パパと子どもの思い出作り、素敵だよね~。アッという間に親離れしちゃうから今のうちだよ」とさりげなく会話に入れてみました。旦那さんは戸惑いながらも、実際に子どもと一緒にお風呂に入ると、全然出てきません笑。水遊びをしながら童心を思い出したようです。旦那さんも「自分ができることはたくさんあるのかも」と気づくきっかけになったみたいです。パパなりの関わり方を見つけてくれてくれるといいですね。
できることから少しずつ! パパが「育児ごっこ」から脱出するために
できることから少しずつ /
パパとしての役割を持つことで、育児に対して主体的に参加してくれるようになります。完璧じゃなくても大丈夫、まずは一歩から始めてもらいましょう!
最近の調査(※1)によると、パパの育児時間が1時間以下の家庭が60%もあるそうです。我が家もそんな感じでした。でも、少しずつパパが自分なりの役割を持てるように工夫していったら、変わってきたんです。
次のような方法が役立ちました。
1.役割分担を明確にする
大事なのは、準備もお願いすること。帽子やお茶、着替え、レジャーシートなど、公園遊びに必要なものをパパと子どもに準備してもらうんです。準備をお願いすることで、パパも「自分の役割」として受け入れやすくなり、自信を持って関わってくれるようになります。
「ママじゃないと寝ない」というのは、慣れもあります。旦那さんもお休み前日なら多少寝不足になっても大丈夫なはず。「睡眠不足が続いてつらい。たまにはひとりで大の字で寝たい」というママ(私だけでしょうか?)の願いも叶えられて、気持ち的にもラクになりますよ。
やるべきことをリストにすることで、自然に行動してくれるようになります。例えばお風呂を旦那さんに任せる時は、肌着やパジャマ、おむつなどの準備も湯上げも保湿クリームも全部任せてみました。そうすることで旦那さんは大変さを理解してくれましたし、私も「可愛がるだけじゃん」と思うことは減っていきました。ママの仕事も減らす一石二鳥のアイデアです。ぜひ試してみてください!
2.小さな成功体験を積み重ねる
行動心理学では、少しずつの成功が「自己効力感」を育み、新しいことへ積極的に挑戦する気持ちを支えてくれるとされています。「自己効力感」とは、「自分ならできる!」と自分の力を信じる気持ちのことです。この自己効力感があることで、旦那さんも育児をもっと楽しみながら参加できるようになります。
たとえば「絵本の読み聞かせをする」「食事のお世話をする」など、毎日できるちょっとした行動なら、旦那さんも気軽に取り組めるはず。やってくれたら、「ありがとう」や「助かってるよ」など感謝の言葉をちょっと大げさに伝えてみましょう。子どもやママの笑顔が励みになって、少しずつ旦那さんの自信も増していきますよ。小さな成功体験を積み重ねることで、旦那さんも育児を楽しく思えるようになり、家族みんなの笑顔が増えるきっかけになるはずです。「こんなお膳立てが必要なの?甘いなぁ」という気持ちは、隠しておいてくださいね!
3.真剣に会話をする
私は新生児育児中「日中、誰とも話をしなかったな」と思う日々でした。「大人と会話したい!話が通じる相手と会話したい。不安も喜びも誰かに聞いてほしい」と、強い孤独を感じたものです。だからこそ、旦那さんが帰ってきたらおしゃべりが止まりませんでした。アドバイスはいらない。ただ聞いてほしいだけ!真剣に!!!寄り添い、共感してほしい。5分でも10分でも、スマホから目を離して真剣に話を聞いてもらってください。今日の子どもの様子を伝え、時には孤独感、不安を洗いざらい話してみましょう。そうすると、子どもの成長やママの奮闘ぶりがわかり、旦那さんも前向きに協力してくれるようになるはずです。どんなにささやかでも、日々の子どもの成長を分かち合える時間は大切にしたいですね。
4.データで説得
実際に、パパが育児に参加することは、子どもの成長にとてもよい影響を与えるというデータがあります。
最新の研究(※2~5)では、「パパの育児参加が多い家庭の子どもほど、情緒が安定している」という結果が出ています。
パパと遊ぶ時間があると、友だちと仲よくするための「社会性」や「運動能力」が育ちやすくなるといいます。パパが一緒に遊んだり応援したりしてくれると、子どもは「自分は大切な存在だ」と感じることができ、これが「自己肯定感」につながるのです。自己肯定感が高いと、困ったことがあっても「自分ならできる!」と自信をもって乗り越えていくことができるでしょう。
また、パパが育児に参加すると、ママも安心できて、家庭の中が明るくなるという結果も出ています。パパとママが協力して子育てをすると、家族みんなが楽しく過ごせる時間が増えるとデータ上で明らかになっているのです!
感情論ではないのです。どんなに仕事が忙しくても、子どもには心身ともに元気でいてほしいという想いは夫婦同じ。旦那さん自らが積極的に育児に関わる理由づけをしてあげましょう。
リラックス育児のために、私が手放したこと
意外と上手くいった! /
ついつい頑張りすぎてしまいがちなママたち。少しずつこだわりや「こうすべき」を手放して、たまには息抜きしませんか?ズボラな私が実践している「手放しポイント」をご紹介します。
1.完璧な引継ぎをしない
旦那さんに何かを任せる時、最初はあれこれ細かく指示していました。それが逆に負担になっていたのかも…と気づきました。今では、やってほしいことだけ伝えて、やり方は旦那さんに任せています。お風呂掃除を任せたら、洗剤をた~っぷり使って30分もかけて掃除をしていましたが、「洗剤使いすぎ」「水を出しすぎ」などは決して言いません。感謝を伝え「結果オーライ精神」で見守るようにしたら、私以上にくまなくピカピカにしてくれるようになりました♪
2.罪悪感なしで自分時間を楽しむ
これは本当に大切!カフェでぼーっとしたり、友だちとランチに行ったり、趣味に時間を使ったり。私はリフレッシュする時間を持つことで、育児にも余裕が持てるようになりました。「子どもを夫に任せて私だけ楽しんでいいのかな」なんて罪悪感は手放して、ひとり時間を大切にしてください。気持ちがリセットされて、また元気に子どもと向き合えるようになりましたよ。
3.「こうあるべき」を捨てる
完璧な育児なんてしなくていいと気づいた時、心がすごく軽くなりました。我が家は我が家なりのやり方で大丈夫。子どものタイミングでアレコレしていると、やろうと思っていたことができないことは日常茶飯事です。予定通りのことができずにイライラしていた時、追いつめているのは自分自身だと気づきました。1日掃除機をかけなくても、ホコリじゃ人は死にません。でも、ストレスで命を失うこともあるのです。少し自分への採点を甘くしてみませんか?
明日からの育児、もっと気楽に♪
進みましょう! /
毎日の育児が少しでも楽しくなるように、意識してみたいポイントをまとめてみました。
- 小さな変化を、旦那さんと一緒に喜ぼう
子どもの成長や新しい一面を見つけたとき、ささいなことでも「すごいね!」と喜び合うことで、育児の楽しさが広がります。 - 完璧を目指さず、それぞれの良さを認め合おう
育児に正解はありません。お互いの良いところを認め合うことで、家族みんなで支え合えるようになります。 - 私たち家族らしい育児スタイルを見つけよう
他の家族と比べるのではなく、私たちに合った育児の方法を少しずつ見つけていきましょう。肩の力を抜きながら、一緒に成長していけば大丈夫。
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- 心理学ワールド 86号 公認心理師 現状と将来 乳幼児期の子育てと父親 ─父親研究を通して考える | 日本心理学会
参考文献
※1男性の家事・育児に関する実態調査(日本労働組合総連合会)
※2父親の育児参加が母親、子ども、父親自信に与える影響の文献レビュー(日本公衆衛生雑誌)
コラム1 生活時間の国際比較 | 内閣府男女共同参画局
※3父親の育児に関する研究動向と今後の課題
※4藍野大学学術機関リポジトリ
※5一般社団法人 平和政策研究所「父親の子育て参加と家族のウェルビーイング ―家庭における父親の存在感―」
※本記事は2024年4月時点の情報に基づいて執筆しています。最新の研究データや制度については、各参考文献の原典をご確認ください。
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